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写真1台風2号が日本列島に接近しようかという5月下旬。長野県丸子町にある広大な自社農園では、 今年分の苗木の定植も終盤にさしかかり、畑らしい表情が日に日に増してきている。

『この畑は約12haほどの広さですが、半分はすでに造成を終え、ぶどうの苗木を植えました。 残った区画を5月の半ばまでかけて造成し、やっと植え付けまでこぎつけました。 ぶどう品種はメルローが主で、あとはカベルネ・フラン、シラーなど。メルローだけでも本数にして12000本ほどです。

苗木の植え付けには、総勢で20名ほどがあたった。メルシャン勝沼ワイナリーのスタッフはもちろん、 丸子町の人材センターから派遣された方々に加えて、当日は地元関係者の方々も駆け付けていただいた。

写真2 『苗木は約1mおきに植えられています。ぶどうの品種や畑の特性などを鑑みた結果、 この間隔になりました。植え付けの手順は、畝(うね)にあらかじめ黒マルチ(ビニール)を敷いて、 植えやすいように穴を掘っておきます。苗も根を切りそろえておいていますから、差し込んだら、あとは周りを土で囲むだけ。 言葉でいうと段取りはいたって簡単なようですが、畑を耕したり、柱の位置を決め針金を渡したり、 曲がらずに直線でマルチを敷いていったりといった、植え付けに至るまでの作業がなかなか大変なんです。』

メルローの植え付けが終わると、次はカベルネ・フラン、シラーといった品種の植えつけとなる。 これは天候を見てのことだが、5月も終わる頃には、無事に終えていることだろう。

写真3『植え付けた苗は、これから夏に向けて芽がどんどん顔を出してきます。たくさんの芽の中から2本ほど切り残し上に伸ばしてあげる 「芽かき」が今後の主な作業となります。普通なら「芽かき」はぶどう畑の5月の風物詩であり、 この畑でも去年植えた分は作業を終えていますが、この区画に限っては苗を植えたばかりなので6月の終わりか7月に入ってからの作業と なるでしょうね。苗木の本数が多いだけに相応の時間がかかり、根気のいる仕事になりますね。』

畑が広大なだけに、機械への依存も高い。マリコ・ヴィンヤードで使われるトラクターは、「城の平」のものより排気量の多いモデルである。 一台で何役もこなすためには、これくらいのトラクターでないと用を足さないのだ。

写真4『このトラクターは孝行者で、畑を開園するまでのいわば立て役者。もちろん今後も欠かせぬ存在です。畝にマルチを敷くのも、草刈りや、 消毒、夏期剪定などなど、このトラクターで全部行います。作業に応じてトラクターの後部に専用の機械を取り付けるのですが 、機械への対応力やパワーを考慮し、「城の平」のものより大きいモデルを採用したんです。』

マリコ・ヴィンヤードでは、専任の塩原に加えて、今年は地元の丸子町から新卒採用された北沢拓也が作業にあたっている。

『北沢は入社してまだ2カ月ですので、作業の目的や意味といった、ぶどう栽培のイロハを教えている段階です。 本人もやり甲斐のある仕事として認識しているようなので、鍛え甲斐がありますね。マリコ・ヴィンヤードも開園して間もないことですし、 人も畑も大きく実を結んで欲しいと思います。』

去年植樹された区画のぶどうでも収穫が見込めるのは早くて来年。安定した収穫となるとその先になる。 日本というテロワールの中で生まれ、収穫されたぶどうから造られる、日本のフィネス、エレガンスを消費者に届ける・・・ その核となるぶどう畑がマリコ・ヴィンヤードであり、その将来を担うのが塩原ら栽培家なのである。



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