快晴に恵まれた10月半ば。長野県塩尻市、桔梗ヶ原地区の自社農園で栽培される「メルロー」も収穫を迎えた。当日は、当社のワインに対する取り組みを取材するテレビ局のクルーたちも畑に加わるという、珍しい収穫風景となったが、今回の歳時記ではその模様と併せて栽培家の声をお届けしたい。 『桔梗ヶ原で展開する自社農園の「メルロー」も10月15日を皮切りに収穫をスタートさせました。今年は局地的な暴風や大雨にたたられるなど特異な気象となったこと、防除後に間をおかず雨にたたられたこともあり、ぶどうもやや病気がちですね。収穫時には房から病果だけを取り除く作業もあるので、通常より時間は余計かかりますし、手間も相当なものですから、桔梗ヶ原で当社と契約する栽培農家の方々に依頼し、収穫をサポートしていただきました。約3日間にわたる作業でしたが、快晴に恵まれたのは幸いでした。』 この秋、当社のワインづくりへの取り組みに対してテレビ局の取材を受けた。当社のこれまでの歴史を振り返り、併せて日本ワインの未来を見据えるという企画で、「シャトー・メルシャン甲州きいろ香」などにまつわる当社の「甲州プロジェクト」について、甲府市玉諸地区における「甲州」の収穫の模様、藤沢にある研究所での「香り」の研究、10年先、20年先を見据えて、現在の長野県上田市に開園した「マリコ・ヴィンヤード」の収穫祭の模様などに加え、「シャトー・メルシャン」シリーズのトップレンジにある「桔梗ヶ原メルロー」の収穫風景もテレビカメラにおさめられた。 『テレビの収録時にあたっては、この地が礫層(れきそう)を基盤としていること、その上に火山灰層が2〜3m堆積していて、地下水位が非常に低いので、水はけが極めて良好なことなど土壌に関することをまずお話ししました。ぶどう栽培の歴史が古く、現在も日本を代表する産地である事実にもふれましたが、土壌だけではなく、一年を通しぶどうを栽培する人の手と情熱もまた、良いワインをつくる上で、不可欠なものであることをしっかりお伝えしました。』 『「果粒を口に含みますが、それで何を感じるのか」といったような収穫期の光景についての質問もありました。それに対して、今は、ぶどうの成熟の分析は機械を使い数値となって表れてきますが、最終的な収穫日、「適熟」の判断は、ぶどうの果粒を食べてみて感じる風味がポイントになること。風味を形成する果実の香りや、種を噛み潰した時に口の中に広がるタンニンの熟度などの判断は、人間の感性に負うところが大きいことなどをお話しました。カメラが回っていて緊張しましたし、どこまでお話できたかは疑問が残りますが・・・(笑)。』 数えて3回目。10月1日は、恒例となりつつある「マリコ・ヴィンヤード」の収穫祭が上田市であった。今回も畑に、大勢の方々に駆け付けていただき、賑やかなものとなった。 『「マリコ・ヴィンヤード」は長野県を仲介役にして私たちが土地をお借りしているのですが、そこの地権者の方々、遠くからの一般参加者なども加わり、100名をゆうに超える賑やかな収穫祭となりました。今年実った「シャルドネ」をその手で収穫し、汗をかき、時に周辺の自然を仰ぎ見る。参加された皆さんも本当に楽しそうに収穫されていたのが印象的でしたね。お昼にはお弁当、おやつには名物の「おやき」もふるまわれ、私たち栽培に携わる者にとってはもちろん、参加された皆さんにとっても良い体験、になったことと思います。』 10月も終盤に差し掛かるが、今年の「マリコ・ヴィンヤード」は、まだ収穫に追われている。塩原ら栽培家たちも息をつく暇がないのが、2008年という一年の現状である。 『今年は「桔梗ヶ原」地区がそうであるように、「マリコ・ヴィンヤード」もまた特異な気象に見舞われました。病果が見受けられ、収穫はいつにもまして大変です。10月に入って「シャルドネ」から始まり「メルロー」と続き、やっと「シラー」、「カベルネ・フラン」に取り掛かりました。「カベルネ・ソーヴィニヨン」にいたっては収穫は11月に入ってからですね。気象による生育の微妙な遅れと、作業がすべて手摘みといった環境ですから、やむを得ないところではありますね。それが終わったら、畑への施肥など、収穫が終わってもやることは山ほどあります。』 当社が取材を受けた番組名は「グローバル・ナビ」。11月15日(土)の午前8時30分〜9時30分、衛生デジタル放送のBS-Iにて放映が予定されています。メルシャン勝沼ワイナリーの取り組みをぜひご覧になってください。