桔梗ヶ原メルロー30年の軌跡〜飽くなき挑戦が拓いた、世界への道のり〜
桔梗ヶ原メルローは、
日本にとって特別な意味を持つワインといえる。
1989年—国際的に権威ある
第35回リュブリアーナ国際ワインコンクールで、
「信州桔梗ヶ原メルロー1985」が大金賞を受賞。
日本のワイン界にとって大きな転機となった記念すべき一本となった。
30年に及ぶ、その歴史を振り返る時、
そこには日本のワインが世界へと羽ばたくきっかけとなった
重要なキーマンとの出会い・関わりが見えてくる。
桔梗ヶ原メルローの成長と共に同じ時間軸を生き、
自身も深くそこに関わってきた日本ワインの立役者、
藤野勝久氏と共に、その歩みを辿る。
証言/浅井工場長のもとで
勝沼工場(現シャトー・メルシャン)の工場長だった浅井さんは、本格的な欧州系醸造専用品種で闘わなければ将来はないという強い意志を持っていました。でも、果たして欧州系の品種が育つのか、メルロー1種に賭けていいものか、何の保証もない。栽培農家にとっても苦渋の選択だったでしょうし、その責任の重さを浅井さんはずっと背負っていたと思います。